___ 1989年


1989年はいろいろなことがあった年である。
ぼくの人生の中でも一番充実していたころであったろう。
しかし身体に関しても多くの試練を受けた年でもあった。
前年からこの年にかけて瀕死の重傷交通事故で入院した。
それが直って退院後猛烈な勢いで仕事をして
10台の天正少年使節の古楽器復元製作が
完成しかかっていた8月16日に、
子どもたちと「かごめかごめ」の最中
転びかかった子どもを支えようとして右足複雑骨折をした。
すぐ6時間の手術を受けたが晴天の霹靂だった。
不可能といわれたが思い切って9月にはその足で
天正少年使節の全楽器を持って日本に行ったのである。

六本木のアークヒルズを皮切りに個展、トークショー、演奏会を
「秀吉が聴いたヴァイオリン」をメーンタイトルにして
各地で立て続けにやった。
しかしそれにしてもいろいろあったが
この年の作品はかなり多いのである。
それから20年たった。懐かしい年でもある。